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カワウの標識調査

 カワウという水鳥をご存知でしょうか。

 近年、ニホンジカなどと同様に、カワウという水鳥が増えすぎたことによる問題が全国各地で起きています。カワウが魚(主にアユ)を食べることによる漁業被害や集団繁殖地での植生被害、糞による悪臭など様々な問題があります。

 野生動物の保護管理を進めていく上で、対象種の生態を知ることは非常に重要です。しかし、野生動物は飼育下動物と違い、広範囲を移動し、個体の識別も困難なことが多く、まだまだ生態を知ることができていません。カワウも例外ではなく、
 ・どういった移動範囲なのか
 ・野外での寿命は何歳までなのか

などといった多くの情報が不足しています。

%e3%82%ab%e3%83%af%e3%82%a6%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%e3%81%a6 そこで,カワウの生態を把握するために、筆者らはカワウの雛を捕獲して脚環をつけて放鳥し、観察や捕獲などによって再確認する標識調査を行っています。カワウの標識調査では、右脚に通し番号が刻印された環境省の金属リング、左脚に個別の記号・番号が書かれたカラーリングを装着します。カラーリングには地域ごとで色が割り振られており、色を確認するだけで、そのカワウがどこから来たのかがわかるようになっています。

 この標識調査によって、筆者らが脚環を装着している竹生島(滋賀県)から移動して、宮崎県まで長距離移動をしていた例が確認されています。また、東京都では、15歳以上のカワウも確認されています。しかし、脚環の付いたカワウの再確認情報はそう多くないため、適切なカワウ管理を進める上で特に重要な広域移動の実態はよくわかっていません。

 そこで、お願いがあります。

 もし野外で脚環を装着しているカワウ(死体の場合でも)を見つけましたら、是非確認情報(下記の内容)をお知らせください。カワウの生態を解明するための貴重なデータとなります。

1.観察場所(住所や近くの目立つ建物などできるだけ詳しく)
2.観察年月日と時刻
3.カラーリングの色と種類,書かれている記号と線の位置,左右の脚それぞれのリング類の配置
4.観察時のカワウの状況(ex.20羽の群れでいた,岸辺にいたなど)
5.観察者の名前と連絡先(E-mailアドレス,電話番号)
6.とりまとめの際に名前を公表してよいか

 連絡先:WSJ  E-mail:info@npo-wsj.org

誘引を伴うくくりわなによるシカ捕獲について

 くくりわなで動物を捕獲するには、10cm程度のわなの真ん中を踏んでもらわなくてはなりません。通常は獣道を利用し、段差があるところなど最も踏みやすい場所を見極めて設置しますが、これには勘と経験が必要であり、初心者が捕獲できるようになるまでは、ある程度の期間が必要です。

 そこで、わな猟初心者である筆者は、餌で誘引しての捕獲を試みました。立木や岩など、シカの進入方向が限定される場所に餌を設置し、食べに来たシカが足をつくと思われる場所にわなを仕掛けます(写真)。餌を置くことでシカが集中して利用するため、わなを踏みこむチャンスが多くなることを期待しています。誘引餌にはヘイキューブと食塩を利用しました。
誘引を伴うくくりわなの設置例
 設置場所は可猟区で、狩猟期間中の1月から2月にかけて2週間設置しました。AとBの2つの林道路線で試したところ、A路線では延べわな数52基で4頭捕獲(捕獲効率0.08頭/延べわな数)、B路線では88基で1頭捕獲(同0.01頭/延べわな数)という結果でした。銃猟者も入猟する場所にしては、まずまずの結果ではないかと思います。B路線の効率が落ちたのは、シカの出没が少なく餌の採食が少なかったことが原因と考えられます。

 獣道にわなをかけることは、シカ以外の動物を捕獲してしまう可能性がありますが、餌で誘引することにより、わなに捕獲する対象種を限定することができます。なお、ヘイキューブはカモシカも誘引するため、両者が生息する地域では注意が必要です。