鳥インフルエンザ

世間では、AIが人間から様々な仕事を奪う時代に突入してきました。ところが野生動物が関わる分野では、どれだけAIに問いかけても満足のいく答えをさっぱり返してくれません。AIの能力は膨大な情報をもとにした学習を前提にしているので、適切な情報が少ない分野ではやはり人の力がまだまだ必要であるようです。

今回は鳥インフルエンザについて、人の手で文章を書いてみようと思います。

 

① 現状の閉塞感

鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザは、ひとたび発生すれば鶏卵や鶏肉の価格を押し上げ、生産者に対して大きな負担を強いる疾病です。行政対応のコストも大きく、さらに行政職員の休職等の理由になるなど精神的なケアを要する例も発生しており、社会的な損失が極めて大きな感染症です。

近年では国内で毎冬発生する感染症になってしまいました。これは鶏に対して予防的にワクチンを使用している国がユーラシア大陸にあるため、野生の渡り鳥(主にカモ類)にウイルスが定着していることが大きな理由の一つだと考えられています(ワクチンに関しては、日本単独では解決できない問題であるため、深くは触れません)。

渡り鳥の中でも、鳥インフルエンザの自然宿主であるカモ類がウイルスを国内に運んでいると考えられます。カモ類以外の渡り鳥は基本的に鳥インフルエンザにかかれば衰弱し、渡りの途中で脱落するためです。以前は低病原性のウイルスが鶏舎に入った後に高病原化すると考えられていましたが、近年は高病原性の鳥インフルエンザウイルスを無症状で保持するカモの報告もあり、こういった状況も農場や野鳥での発生件数を押し上げている可能性があります。

養鶏農場への侵入経路は分からない?

汚染源が野生動物であるため、鶏舎へのウイルスの侵入経路に関して不明な点が多く、野生動物の生態と防除、防疫に関する知識を持つ公的な専門家も圧倒的に不足している状況にあります。

皮肉にも、鳥インフルエンザが法定感染症に指定されている点も経路の解明を難しくしています。通常の感染症であれば、鶏舎内での感染の増減や症状、病原体の変化を見ながら、対策の影響や費用対効果を検証しつつ環境要因や侵入の因果関係を調査する事ができます。しかし鳥インフルエンザではそうはいきません。法定感染症であるため、発生時点で全羽殺処分が開始され鶏舎がリセットされるためです。検証を難しくする構造的なジレンマがあるのです。

このため、「どこからウイルスが入ったのか?」と生産者に聞かれた際、研究者的な意見としては「エビデンスが無いので分からない」という反応になってしまいます。しかし、実際の生産の現場は、この状況に対応・予防しなければ大きな損失を被ることになります。分からないので仕方がない、というわけにはいかないのです。あるいは野生動物分野にあまり詳しくない専門家では、人為的な持ち込みや衛生動物(ゴキブリやネズミ)を主要な経路と疑って対策をすすめる傾向が強く、鳥類に関しては鶏舎への侵入防止以外に助言ができない、というような状況が見て取れます。

 

② 侵入経路の検討

そもそも、ウイルスが鶏舎内に侵入するまでの主要な経路はなんなのでしょうか?感染源(カモ類)から逆算し、危険な経路を見渡して必要な対策を考えてみましょう。

(注:ここで述べるリスク及び対策の一部には仮説が含まれており、今後検証が必要です。)

カモの行動

まず、畜産関係者や獣医師の方があまりご存じでない情報から共有します。

カモ類の多くは夜行性です。

「それはおかしい。昼間にため池や川にいるじゃないか」と思われるかも知れませんが、昼間に見るのは休息している姿です。水面に浮かんでいればキツネやネコや猛禽類に襲われる心配が無く安全なのです。

では夜はどこへ行くのか?

休息地から近い水田や休耕田、湿地やため池などで、稲の二番穂や動物質の生物などを採食しています。

写真:森元伊織

一部のカモでは昼行性のものもいますし、人による餌付けがある場合などは夜行性のカモでも昼行性になる場合があるため、比較的緩やかな夜行性であるようです。

鶏舎の近隣を調べて、昼間にカモがいなくても安心はできないという事です。鶏舎の周りに田畑や水辺がある場合は夜間に飛来しているかもしれません。なお、カモ以外にもアオサギのようなサギの仲間でも不顕性感染を示す実験報告があります。サギ類もよく田畑や水路に飛来して小動物を狙っています。

そこでまず気になるのは、これらの種の移動経路です。鶏舎の近くに離水、着水、採食、休息をする環境があれば、糞や飛沫で農場が直接汚染される可能性があります。次に気になるのは、周辺の田畑で自社生産している鶏の飼料や、消毒を経ない環境水の利用です。カモやサギがこれらの環境を利用していれば、鶏舎内へのウイルスの侵入経路になります。これらがやはり一番危険な経路でしょう。

なおカモ類と混同されますが、ハクチョウ類は不顕性感染をしにくい(感受性はあり、発症はする)という実験報告があります。

カモ以外の鳥類

では、それ以外の鳥類はどうなのでしょうか?

確かに、鳥インフルエンザは多くの鳥が感受性を持っています。しかし鳥インフルエンザが発症した鳥、つまりウイルスを排出している鳥は数日で死ぬか回復して免疫を持ちます。カモ類のように不顕性感染が持続し元気に飛び回ってウイルスを排出し続けるわけではありません。もちろんリスクとしては考えておかなければなりませんが、カモ類やサギ類に比べれば危険性が一段落ちると考えられます。

ただし、あらゆる鳥類で感染実験が行われているわけではないので、カモやサギの他にも不顕性感染を示す種類があるかも知れません。ウやカイツブリ、バンの仲間のように、カモと近い水辺に生息する鳥類の中で死亡例があまり報告されないものは、耐性があるか不顕性感染になりやすいかも知れません。また、過去に感染して回復した鳥では免疫をもち、不顕性感染を示す可能性もあります。

鳥類は飛んで移動できるので非常に広範囲を移動すると考えている人が多いのですが、短期的(感染~発症の期間)には限られた範囲で行動する種も多いです。つまり鳥類が鶏舎周辺へウイルスを持ち込むシナリオでは、農場近隣の環境で感染した場合で可能性が高くなります。

カモやサギ以外にも、生態的に見て特に気を付けるべき種類がいくつかあります。

まず、肉食性あるいは腐肉食性の鳥類です。具体的には猛禽類、カラス類です。これらの種は鳥類も食べるため、鳥インフルエンザにかかって弱っている鳥や死んだ鳥に接触する場面が多くなります。実際、死亡野鳥のサーベイにおいてウイルスの検出例も多い種類です。

次に、冬季に群れる鳥類です。単独性の鳥類では鳥インフルエンザにかかった場合、死んでしまって感染がその個体だけで途切れてしまいますが、群れる鳥では群れの内部で感染が連鎖して排出期間が長期化し、ウイルスの排出量も多くなる可能性があります。群れる鳥類は移動範囲が広くなる傾向があるため、そういう意味でもリスクが上がります。鶏舎周辺でよくみられる鳥類で具体的に言えば、カラス類、スズメ、ムクドリ、ハト類などが群れを作る種類です。ただし、ハトは実験的に感染そのものが成立しにくいとの報告があり、スズメに関しては同居感染が成立しにくいとの報告があります(機械的伝播や糞便による伝播の可能性は残ります)。

そして最後に、鶏の飼料を狙って農場に頻繁に訪れる鳥類です。周辺を通過するだけの鳥類であれば、感染してウイルスを排出している間に鶏舎を訪れる可能性は低いのですが、鶏舎の飼料に執着している個体はウイルス排出期間に鶏舎周辺にとどまる可能性が高くなります。具体的に言えば、カラス類、スズメ、ムクドリ、ハト類などです。この他にも、鶏舎周辺で発生するハエを目的としてセキレイの仲間が定着することもよくあります。

哺乳類

次に哺乳類を考えてみましょう。

基本的に、ノウサギやシカのような草食性の動物を除く全ての哺乳類が死亡野鳥を食べます。鶏舎周辺に多い哺乳類としては、ネコ、タヌキ、キツネ、アナグマ、テン、イタチ、アライグマ、ハクビシンなどが挙げられます。哺乳類は主に機械的伝播を担う可能性が考えられますが、タヌキやキツネでは鳥インフルエンザの野生下での感染例が報告されています。死亡した個体が見つかる(検査される)例は氷山の一角ですので、哺乳類についても感染した状態で農場敷地や鶏舎内に侵入する可能性を考えなくてはなりません。アライグマやハクビシンは立体的な移動が得意で農場の倉庫などに入り込む事が多く、タヌキやキツネは傷んだ建物の基礎の下や排水溝などに住み着く事があります。

哺乳類の中では、フェレット(イタチ科)で鳥インフルエンザの感受性が実験的に高いという報告があり、ミンク(イタチ科)では毛皮農場における流行が報告されています。イタチは水場をよく利用し、ネズミが出入りできるサイズの侵入口があれば鶏舎に入り込んでしまうため、特に注意が必要だと考えられます。

その他の生物、経路

続いて、ネズミ、ゴキブリ、ハエのような鶏舎内で増える生物はどうでしょうか。

これらは非常に目につきやすいので疑われる傾向がありますが、野外からウイルスを受け取る機会がほとんどありません。ちなみに、冬季に野外で見つかるネズミはアカネズミやハタネズミなどで、鶏舎内で見られるドブネズミやクマネズミとは完全に別種です。鶏舎内のネズミやゴキブリは、安定した環境と食物があるため、天敵が多く不安定な鶏舎外に出る必要がありません。特に冬季は鶏舎内で完結した生活をしていると考えられます。鶏舎で鳥インフルエンザが発生した後に鶏舎からウイルスを持ち出す存在にはなりえますが、カモ類等が持つウイルスと鶏をつなぐ経路となる場面はなかなか想定できません。

それ以外の経路として、注意を要する情報があります。冬季も活動するハエ(オオクロバエ,ケブカクロバエ)から鳥インフルエンザウイルスが検出される例が報告されています。これらの種類のハエは腐肉食性で、動物の死体や糞から発生します。冬季に増えるわけではなく、春や秋に発生した成虫が成虫のまま越冬し、気温の高い日は冬季も活動します。冬季のこれらのハエに関しては、農場内における発生予防ではなく、既に自然環境中にいるものの鶏舎への侵入予防という観点になります。

ほとんどの鶏舎はハエの侵入を排除できる構造を持っていないため、もしハエが主要な伝播経路であれば対策が非常に難しく、危険性が高い存在である可能性があります。ただし、これらの報告も鳥インフルエンザの発生があった鶏舎内や集団発生が確認された大規模なツルのコロニー周辺での採取例であるため、鶏舎に最初にウイルスを持ち込む一般的な経路かどうかについては、他の経路との冷静な比較検証が必要です。ハエの内部でウイルスは増えないので、ハエの密度と分布、行動、一度に運ぶウイルス量や感染性を維持できる期間、地域(気温と移動距離)等によっては無視できるレベルである可能性もあります。

最後に、人為的なウイルスの持ち込みです。農場関係者がカモや水辺、野鳥や野鳥の死体に近づく事は考えづらいので、サギ類や田畑のような情報共有が進んでいない要素を介したものが農場を汚染するリスクとしては高くなるでしょう。一般的に、人為的な持ち込みは、農場の敷地が汚染されている場合に鶏舎内部へウイルスが侵入する最後のルートとして疑われる傾向にあります。

 

③ 仮説をもとにした対策案

対策を考える前に、関係者が陥りやすい情報の偏りや心理を押さえておきましょう。これはとても重要なステップです。

野生動物によくあるバイアス

感染症への野生動物の関わり方については不明な点が非常に多く、時間経過に伴って容易に変化もします。このため、分からない部分がある事を前提に仮説を立て、実証的に対策を進める必要があります。

しかしこの管理方針に慣れていないと「選択バイアス」が非常に起こりやすくなります。選択バイアスというのは、何かの検証をする際に“調べたい物事に対して、母集団の設定やサンプルの集め方が偏る”バイアスの事です。鳥インフルエンザの感染経路については、その中でも「街灯効果」という選択バイアスをよく感じます。街灯効果というのは、「簡単に調べがつく調査範囲から集めた情報をもとに、(誤った)結論が導かれやすくなる」バイアスの事です。ウイルスを保持する生物の発見などはもちろん重要な情報なのですが、それがすなわち犯人/高リスクだというのは早計です。

例えば現行の死亡野鳥の鳥インフルエンザのサーベイランスにしても、適切なサンプリングで全てを調べているわけではなく、優先種の選定によって大きなバイアスが生じています。野鳥の体サイズ・体色によって除去(採食)されやすさや発見されやすさが異なるため、「どの野鳥で感染例が多いか」という指標にはならず、予防的に対策すべき種類を検討する際に十分な情報とはいえません。その他の生物にしても、見つかったものは論文にしやすく報告が多いのですが、逆に見つかっていないものとの比較(リスクの検討)ができないような情報が非常に多くなります。人為的な持ち込みを疑うのは重要なのですが、人が行動する範囲は最も観察が容易で、粗を探せば細いルートまで出てきます。経路の全体像を意識し、検証すべき経路(検証していない経路)の比較と、効果的なリスク因子を探索する姿勢が重要です。

畜産関係者が持ちやすいバイアス

畜産関係者が衛生動物を目の敵にして対策を促す事が多いのは、「ホーン効果」や「確証バイアス」の影響を受けている可能性があります。

ホーン効果とは“ある分野での悪評に引きずられて、同じ対象を別の分野でも低く評価する”認知バイアスです。

確証バイアスとは、犯人をある程度決めつけてそのシナリオに都合の良い情報ばかりを集める行動の結果生まれる情報の偏りのことです。

ネズミやゴキブリは他の感染症においては重要な媒介者となりえますが、鳥インフルエンザウイルスの鶏舎への侵入でどの程度の役割を果たしているかについては、ゼロから客観的に評価しなければなりません。

対策者が持ちやすいバイアス

対策を実施する関係者においては、「認知的不協和」から必要な対策について見て見ぬふりをしたり、軽視したりする傾向を感じる事があります。認知的不協和とは、自分にとって不都合/不快な情報の存在に対する気持ち悪さのことで、それに対し人は都合よく認識を変えたり解釈を加えたりするような反応を取りやすくなります。例えば、鶏舎上空を通過するカモや遠距離を移動するハエが媒介しうるという情報に触れても、それは困る(手間やコストが非常に大きい/効果的な対策を知らない)ので可能性が低いだろうと考えて除外しやすくなるような反応です。

有名なところでは「正常性バイアス」もあります。世間で鳥インフルエンザが発生していても、自社は(実際はたまたまなのに)大丈夫だ、対岸の火事だと認識しやすいという認知バイアスです。実際には自社をとりまく環境が悪化していても、「これまで大丈夫だったから」と人はなかなか対応を変えません。

予防的な対策については、「結果バイアス」が働きやすくなります。結果バイアスとは、そこに至ったプロセスを忘れて結果だけで良し悪しの判断をしてしまう認知バイアスです。予防に予算を投入した後、感染症が(効果があったので)発生しなくても、(効果はあったが不十分だったために)発生しても、投資した予算が無駄(効果無し)に見えやすくなるという反応です。

この他にも、「ゼロリスクバイアス」という認知バイアスがあります。これは、全体のリスクを低減する効果的な選択肢よりも、一部分の(全体として見れば小さな)リスクを完全に排除(ゼロに)できる選択肢を好む心理傾向の事です。例えば、野生動物への対策を置き去りにして、既に限界に近い人為的な持ち込みリスクへの対策にコストを投入するような反応です。

もし心の中にこれらのバイアスを感じたら一度深呼吸して、「他人事」であればどういう対策を考えるか、という立場に立ってみましょう。

根源への対策

鳥インフルエンザでは予防が全てです。

他の疾病のように、発生した後に被害の軽減を図るステップはありません。鳥インフルエンザに払うべき予算は「予防事業」のみです。

未発生の農場では、何となく他の疾病の対応とひとくくりにされた防疫予算の中に鳥インフルエンザの予防が埋もれ、やった気になって意識から外れてしまうかも知れません。鳥インフルエンザが農場内で発生した際の損失を、事後処理と再開のロードマップを含めた数年単位で試算すると良いでしょう。予防の費用は他の感染症と分けて考え、試算した損失と見比べて検討しましょう。

その上で、何をするか考えましょう。

まず正直に申し上げまして、現時点で鶏舎にウイルスを持ち込む犯人は分かりません

しかし客観的に考えれば、リスクの核心に最も近いのは農場周辺でのカモやサギの活動です。飛沫、哺乳類の媒介、その他の野鳥の感染、人為的な経路、ハエ、どの侵入経路を考えても、鶏舎とカモとの距離が近ければ近いほどリスクが上がります。農場内に到達するリスクですので、それぞれ距離の2乗に反比例(逆二乗の法則)に近い相関式になるのではないでしょうか。

私が経営者であれば、まず農場周囲の鳥類の行動を、夜間を含めて調べます。高リスクな鳥類が農場周辺の環境を利用しているのであれば、それを抑制する(遠ざける)ための対策をします。

そんな事が可能なのか?

不可能ではありません。

周辺にため池があれば、家畜保健衛生所と協力して水を抜いたり、テグスを張るなどの対策を地権者と交渉します。農場周辺の田畑に関しては、水を抜き、二番穂が出ている田んぼを耕起する対策を、費用を含めて交渉するでしょう。本気になれば、夕方~夜間に農場周辺のため池、河川、田畑を巡回し、カモやサギに対して爆竹等で追い払いをする事もできます。幸い鳥類は安全な場所で採餌するため、秋から冬の始めに何度か対策をして学習を促せば、その後は巡回頻度を落とせます。(やれるのであればやったほうが良いですが)毎日見回りをする必要はありません。不顕性感染を示す鳥類へウイルスが広がったり、水域にウイルスが蓄積したり、環境中にリスクが分散してからでは対策範囲が広くなってしまうため、とにかく秋の段階で農場周辺からカモを含む鳥類を遠ざけます。

ウイルスの侵入経路として最悪を想定するなら、上空を通過する鳥類からの飛沫が直接鶏舎内へ侵入している経路でしょう。そしてこの経路のリスクを減らすには、上記の対策以外ありません。カモやサギ以外の鳥類に関しては昼行性のものが多いので、リスクの高い鳥類を見かけたら他の作業に優先して追い払いをします。農場周辺にねぐらをとられる事を防ぐために、鶏舎周辺で鳥類を見かけていなくても夕方を狙った爆竹等での追い払いを習慣づけます(爆音機等の設置型の対策は鳥の側に慣れが生じるので、人の手で実施します)。

二次的な対策

その後に、その他のリスクへの対策を追加していきます。

鶏舎への鳥類や哺乳類の執着を防ぐために飼料や敷料を防除・被覆したり、鶏舎への進入経路の探索と遮断を秋に定例化したり、換気扇からのハエの侵入をカバーしたりといった対策です。

研究者の立場では対策をひとつづつ実施して効果を調べたいところですが、生産者としては一度の発生が命取りですので、可能な限りの対策は全て投入します。

対策の注意点

予防における一番の敵は、惰性です。

定期的に効果を実感できなければ続きませんし、効果が低下した状態が続けばただの浪費であり、場合によっては逆効果となります。

例えば鳥類に追い払いを実施する場合は、確認した種、羽数、位置、日時を記録しておき、追い払いの前後で確認数が減ったかを見比べて間接的に効果を確認するなど、対策に平行して適切な指標を設定しましょう。それに応じて、納得できるコストや手間、効果のラインを探すことになるのではないでしょうか。

幸い、鳥インフルエンザは冬季に発生が集中しています。対策を通年やる必要はありません。年間の対策イベントをスケジュールに記入してみてください。

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

世界的にも国内でも、鳥インフルエンザのワクチンについて接種を検討する動きが活発化しています。日本は島国ですので鶏卵の輸入は考えづらく、国外の鶏肉の価格も上昇傾向にあるため、恐らくそう遠くない未来に実施するでしょう。そこまでは、勇気をもった予防に投資しても良いのではないでしょうか。

さらに詳しい内容や地域に合わせたより効果的な対策を考えたい場合は、問い合わせフォームからご連絡下さい。